指向性
「マイクの指向性」などのように使う「指向性」という言葉。
「指向性」は、音読みで「しこうせい」と読みます。
「指向性」とは、どのような意味の言葉でしょうか？
この記事では「指向性」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
指向性の意味
「指向性」には次の二つの意味があります。
1 音波・電波などの強さが、方向によって異なる性質。また、音波・電波などの受信装置の感度が、方向によって異なる性質。
2 「志向性」に同じ。（出典：デジタル大辞泉）
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
指向性の意味①「音波・電波などの強さが、方向によって異なる性質。また、音波・電波などの受信装置の感度が、方向によって異なる性質。」
「指向性」の一つ目の意味は「音波・電波などの強さが、方向によって異なる性質。また、音波・電波などの受信装置の感度が、方向によって異なる性質。」です。
例えば、マイク等では、一方向の音を収音する場合は「指向性が高い」マイクといわれ、逆に周辺一帯の音を収音するマイクは「指向性が低い」マイクといわれています。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・レーダー通信は指向性が強く、どちらかといえば、ごく短距離向けである。
（出典：高千穂遙『クラッシャージョウ・シリーズ(全13巻) 5 銀河帝国への野望』）
・指向性地雷と呼ばれ、六十度の範囲で二百五十メートル以内に玉が拡散する。
（出典：榊涼介『ガンパレード・マーチ 10-もうひとつの撤退戦』）
・指向性マイクがチームに向けられてでもいるのだろう。
（出典：A・バートラム・チャンドラー『銀河辺境シリーズ(全25巻) 11 背徳の惑星』）
・あ、この道って普通の道路のことじゃなくて、方向性とか指向性とかの道ね。
（出典：谷川流『5 涼宮ハルヒの棒 走』）
・強い指向性を持つアンテナで、発信機の方向を探ることができる。
（出典：打海文三『時には懺悔を』）
指向性の意味②「「志向性」に同じ。」
「指向性」の二つ目の意味は「志向性」に同じです。
「志向性」とは、現象学という学問で、すべての意識は常にある何ものかについての意識であるという、意識の特性のことです。「指向性」も同義です。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・志向性という概念でラベルされている私たちの心の中の表象の範囲は広い。
（出典：茂木健一郎『クオリア入門-心が脳を感じるとき』）
・志向性は、右に見たように、豊かで複雑な構造を持っている。
（出典：茂木健一郎『クオリア入門-心が脳を感じるとき』）
・まず、以上で論じてきた意味での志向性は、脳の様々な領域で分散して表現されている。
（出典：茂木健一郎『クオリア入門-心が脳を感じるとき』）
・ただわが国の優れた文学的な資質のうちにある、おなじような精神の志向性に問題をみたいだけだ。
（出典：吉本隆明『悲劇の解読』）
・全てを内包しながら、更にその向こうを目指して志向性を与えられた、音の羅列と重複。
（出典：榊一郎『神曲奏界ポリフォニカ 1 ウェイワード・クリムゾン』）
