拙者
「拙者は武士でござる」などのように使う「拙者」という言葉。
「拙者」は、音読みで「せっしゃ」と読みます。
「拙者」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「拙者」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
拙者の意味
「拙者」には次の意味があります。
・自称。自分をけんそんしていう語。目上に対して多く武士が用いた。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「拙者」という言葉は上記の通り、本来は自分をへりくだっていう言葉ですが、逆に威張って使うケースもあるようです。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・拙者はあまり作に頓着しない方なんだが、やっぱりいい刀は持ちたいよ。
(出典:中里介山『大菩薩峠』)
・たとえ伊賀組出身の女であるにせよ、お砂を拙者は信じているのですが。
(出典:山田風太郎『忍法陽炎抄』)
・拙者がわからないばかりでなく、その席でまた問題が持上ってしまった。
(出典:中里介山『大菩薩峠』)
・その話がもう二カ月ほど前にあったら、拙者も心を動かされたでしょう。
(出典:新田次郎『新田義貞(下)』)
・これまで逢うときは拙者のからだが涸れていたときだったのでござろう。
(出典:山田風太郎『忍びの卍(まんじ)』)
類語
・小生(しょうせい)
意味:一人称の人代名詞。男性が自分をへりくだっていう語。多く、手紙文に用いる。(出典:デジタル大辞泉)
・不肖(ふしょう)
意味:一人称の人代名詞。自分をへりくだっていう語。(出典:デジタル大辞泉)
・愚生(ぐせい)
意味:一人称の人代名詞。主に書簡文で、男性が自分をへりくだっていう語。(出典:デジタル大辞泉)
・小弟(しょうてい)
意味:一人称の人代名詞。年長者に対して、自分をへりくだっていう語。(出典:デジタル大辞泉)
・それがし
意味: 一人称の人代名詞。わたくし。(出典:デジタル大辞泉)