抜擢
「若手を抜擢する」などのように使う「抜擢」という言葉。
「抜擢」は、音読みで「ばってき」と読みます。
「抜擢」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「抜擢」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
抜擢の意味
「抜擢」には次の意味があります。
・多くの人々の中から特に選び出してある仕事をさせること。ばったく。(出典:精選版 日本国語大辞典)
見込みのある人物を選んで、何らかの職務や役割を担わせることを意味します。
「擢」の字は「ひきぬく」や「ぬきだす」という意味を持ちます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・郭は、この度、将軍に抜擢されたばかりの最も若い軍人の一人であった。
(出典:井沢元彦『日本史の叛逆者 私説・壬申の乱』)
・自分のすぐれた論文が採用されないのは、自分を抜擢する気がない証拠だ。
(出典:浅野誠『ビジネスマンの精神病棟』)
・それも当然のことで、いったい碁打ちをどんな仕事に抜擢するというのか。
(出典:冲方丁『天地明察』)
・当初決まっていたヒロインが死んだので、今のヒロインが抜擢された。
(出典:今野敏『心霊特捜』)
・相原の他にも、そのようにいわれている抜擢組が、社内に何人かいた。
(出典:源氏鶏太『停年退職』)
類語
・起用(きよう)
意味:今まで用いられなかったり認められていなかったりした人をとり立てて用いること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・登用(とうよう)
意味:人を官職などに取り立てること。また、人をそれまでより高い地位に引き上げて用いること。(出典:デジタル大辞泉)
・挙用(きょよう)
意味:下の地位にいた人を上の地位にとりたてて使うこと。登用。(出典:デジタル大辞泉)
・スカウト
意味:スポーツ界・芸能界などで、有望な人材を探し出したり引き抜いたりすること。また、その役目の人。(出典:デジタル大辞泉)
・発掘(はっくつ)
意味:世間に知られていないすぐれた人やものを見つけ出すこと。(出典:デジタル大辞泉)