折衷
「折衷案を出す」などのように使う「折衷」という言葉。
「折衷」は、音読みで「せっちゅう」と読みます。
「折衷」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「折衷」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
折衷の意味
「折衷」には次の意味があります。
・いくつかの異なった考え方のよいところをとり合わせて、一つにまとめ上げること。(出典:デジタル大辞泉)
言い換えると、「折衷」は「複数の異なる考え・意見の良い点を合わせ、ひとつにまとめること」を意味します。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・云わば之は絶対的な折衷主義というようなものになるかも知れないのである。
(出典:戸坂潤『現代唯物論講話』)
・男に拒絶されないための折衷案として、「いい女」というのも登場した。
(出典:橋本治『二十世紀(下)』)
・これからは西洋医学と漢方の折衷時代だといっているような輩たちでした。
(出典:和田はつ子『薬師』)
・すべての装飾がヨーロッパ風とネパール風の折衷であります。
(出典:河口慧海『チベット旅行記』)
・私営鉄道へ出資している資本の利害がこの案によって折衷されることになる。
(出典:橋本克彦『日本鉄道物語』)
類語
・好いとこ取り(いいとこどり)
意味:全体の中から、いい部分だけを取り出すこと。(出典:デジタル大辞泉)
・摺り合せ(すりあわせ)
意味:いくつかの案や意見を、突き合わせて調整すること。(出典:デジタル大辞泉)
・調和(ちょうわ)
意味:全体がほどよくつりあって、矛盾や衝突などがなく、まとまっていること。また、そのつりあい。(出典:デジタル大辞泉)
・合せ技(あわせわざ)
意味:異なる技術・操作・品目などを組み合わせること。また、組み合わせて生じた新しい技術・効果・品目など、セールスポイントになる事柄。(出典:デジタル大辞泉)
・コンビネーション
意味:事物の取り合わせ、組み合わせのこと。また、チームワークのこと。コンビ。(出典:精選版 日本国語大辞典)