手懐ける
「野良犬を手懐ける」などのように使う「手懐ける」という言葉。
「手懐ける」は、訓読みで「てなずける」と読みます。
「手懐ける」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「手懐ける」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
手懐けるの意味
「手懐ける」には次の二つの意味があります。
1 動物などを、なつくようにする。
2 面倒をよくみるなどして、味方に引き入れる。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
手懐けるの意味①「動物などを、なつくようにする。」
「手懐ける」の一つ目の意味は「動物などを、なつくようにする。」です。
この意味では、人間以外の生き物に対して使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・本人は、暴れ馬を手懐けているようだと、気にはしていない。
(出典:ろくごまるに『封仙娘娘追宝録6 憎みきれない好敵手』)
・あのような獰猛な怪物を手懐けてしまうとはなあ。
(出典:久美沙織『ドラゴンクエスト5 天空の花嫁 第1巻』)
・乏しい食事を残して手懐けた鼠を下男が皆叩き殺した。
(出典:ベニー松山『風よ。龍に届いているか(下)』)
・誰かが手懐けて、首輪を外して連れ去ったとでも考える他に、説明のしようがなさそうでした。
(出典:佐藤ケイ『夜の犬 barghests march』)
類語
・飼い慣らす(かいならす)
意味:動物にえさを与えたりして、なつかせる。(出典:デジタル大辞泉)
・懐(なつけ)
意味:なつかせること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・御する(ぎょする)
意味:馬や馬車を巧みに扱う。(出典:デジタル大辞泉)
・懐柔(かいじゅう)
意味:うまく扱って、自分の思う通りに従わせること。(出典:デジタル大辞泉)
手懐けるの意味②「面倒をよくみるなどして、味方に引き入れる。」
「手懐ける」の二つ目の意味は「面倒をよくみるなどして、味方に引き入れる。」です。
この意味では人物に対して使われる場合が多いです。
ビジネスシーンでの「部下を手懐ける」であれば、自分の意のままに動かせるように部下の面倒をみたり、世話をやいたりすることを言います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・きみには、そこまで、りすかを手懐けているという認識があるわけだ。
(出典:西尾維新『新本格魔法少女りすか 1』)
・ところがその公爵は偽者の国王に手懐けられ、骨抜きにされているという。
(出典:茅田砂胡『デルフィニア戦記 第6巻 「獅子の胎動」』)
・チチコフは代弁人として、先ず予めその筋の役人を巧く手懐けた。
(出典:平井肇『死せる魂』)
・何か情報があるなら手懐けてある楠木刑事あたりから、こっそり耳打ちがされている。
(出典:樋口有介『ピース』)
類語
・手玉に取る(てだまにとる)
意味:手玉をもてあそぶように、人を思いどおりにあやつる。(出典:デジタル大辞泉)
・懐柔(かいじゅう)
意味:うまく扱って、自分の思う通りに従わせること。(出典:デジタル大辞泉)
・操る(あやつる)
意味:意のままに人を動かす。(出典:デジタル大辞泉)
・籠絡(ろうらく)
意味:巧みに手なずけて、自分の思いどおりに操ること。(出典:デジタル大辞泉)