懸想
「ひそかに懸想している」などのように使う「懸想」という言葉。
「懸想」は、音読みで「けそう」または「けしょう」と読みます。
「懸想」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「懸想」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
懸想の意味
「懸想」には次の意味があります。
・思いをかけること。恋すること。恋いしたうこと。恋慕。けしょう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
恋をすることを「懸想する」といい、「ひそかに懸想する」のように動詞として使用されます。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・いわば源氏が懸想し、言い寄っても不都合なことはなくなったのである。
(出典:田辺聖子『新源氏物語』)
・王子は娘を見ると、誰だかわからずに、これに懸想して立ち去りました。
(出典:佐藤正彰訳『千一夜物語』)
・これは以前から彼が懸想し、妄想の中で犯そうと渇望しぬいていた女だ!
(出典:山田風太郎『忍法封印いま破る』)
・お前なんかと來た日にや、毎日三人か五人に懸想してゐるぢやないか。
(出典:野村胡堂『銭形平次捕物控』)
・里の男が、懸想した女の家の門へ錦木を切つて来て樹てるのである。
(出典:折口信夫『花の話』)
類語
・恋(こい)
意味:人、土地、植物、季節などを思い慕うこと。めでいつくしむこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・女心(おんなごころ)
意味:女が男を恋しく思う気持。おみなごころ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・愛(あい)
意味:(性愛の対象として)特定の人をいとしいと思う心。互いに相手を慕う情。恋。(出典:デジタル大辞泉)
・色恋(いろこい)
意味:色情と恋愛。男女間の情愛。恋愛。いろごと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・慕う(したう)
意味:恋しく思う。懐かしく思う。(出典:デジタル大辞泉)