懊悩
「懊悩する日々」などのように使う「懊悩」という言葉。
「懊悩」は、音読みで「おうのう」と読みます。
「懊悩」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「懊悩」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
懊悩の意味
「懊悩」には次の意味があります。
・心の底で悩みもだえること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
「懊悩」という言葉を分かりやすく言うと、「悶々と悩んでいる状態」という意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・無理もないことであった、その時の私は自身の問題に懊悩していたのだから。
(出典:松下竜一『砦に拠る』)
・そして懊悩の幾時かの後には、信念と内的勝利の幾時かが来たものである。
(出典:マン・パウル・トーマス『悩みのひととき』)
・そういう事になる前にこそ、死よりも切ない懊悩があったはずである。
(出典:長谷川時雨『芳川鎌子』)
・気持ちの悪い懊悩を抱えたまま、ずるずると数日を過ごしてしまった。
(出典:伏見つかさ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない 第8巻』)
・狂気のまだ去らぬ状態で絶望に陥ったピータアは、懊悩の中で、耐えた。
(出典:森茉莉『甘い蜜の部屋』)
類語
・苦痛(くつう)
意味:からだや心に感じる苦しみや痛み。(出典:デジタル大辞泉)
・責苦(せめく)
意味:精神的、肉体的に責めさいなまれる苦しみ。(出典:デジタル大辞泉)
・惨痛(さんつう)
意味:ひどく心をいためること。ひどく苦しむこと。また、その苦しみ。(出典:デジタル大辞泉)
・憂悶(ゆうもん)
意味:思い悩み、苦しむこと。(出典:デジタル大辞泉)
・鬱積(うっせき)
意味:不平不満や怒りなどの感情が、はけ口のないままに心の中に積もっていること。(出典:デジタル大辞泉)