慈しむ
「わが子を慈しむ」などのように使う「慈しむ」という言葉。
「慈しむ」は、訓読みで「いつくしむ」と読みます。
「慈しむ」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「慈しむ」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
慈しむの意味
「慈しむ」には次の意味があります。
・かわいがって、大事にする。(出典:大辞林 第三版)
「慈しむ」は、主に目下の者や弱い者に対して愛情を注ぐことを意味しますので、自分と対等の者や、目上の者に対してはあまり使いません。
また、人以外の物などに対して使うこともあります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・・和人は、そんなアリスに、慈しむような視線を向けながら続けて言った。
(出典:九里史生『SAO Web 0408 エピローグ』)
・しかしそう思っても、東京の街を慈しむ気持ちにはどうしてもなれなかった。
(出典:村上春樹『1Q84 BOOK2』)
・仏教とは何でしょう。分かりやすくて言い得ていると思うのが、 「人や動物、植物、すべてのものを慈しむ心を育てていくこと」 ダライ・ラマの言葉です。
(出典:麻生佳花『尼は笑う』)
・目の奥に、雛を慈しむように抱いていた、美しい獣の姿が浮かんだ。
(出典:上橋菜穂子『獣の奏者 Ⅰ 闘蛇編』)
類語
・愛する(あいする)
意味:かわいがり、いつくしむ。愛情を注ぐ。(出典:デジタル大辞泉)
・愛重する(あいちょうする)
意味:愛して大事にすること。(出典:デジタル大辞泉)
・慈愛(じあい)
意味:我が子を愛するようないつくしみの気持ち。 (出典:大辞林 第三版)
・慈悲(じひ)
意味:いつくしみ、あわれむこと。なさけ。(出典:デジタル大辞泉)
・愛おしむ(いとおしむ)
意味:かわいく思って大事にする。かわいがる。(出典:デジタル大辞泉)