感触
「肌の感触」などのように使う「感触」という言葉。
「感触」は、音読みで「かんしょく」と読みます。
「感触」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「感触」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
感触の意味
「感触」には次の二つの意味があります。
1 物事の雰囲気などからそれとなく受ける感じ。印象。
2 手や肌に触れた感じ。手ざわり。肌ざわり。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
感触の意味①「物事の雰囲気などからそれとなく受ける感じ。印象。」
「感触」の一つ目の意味は「物事の雰囲気などからそれとなく受ける感じ。印象。」です。
「試験に受かりそうな感触を得る」などの場合はこの意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・足許の砂が崩れて行く何とも言えない不安な感触が思い出されて来る。
(出典:井上靖『崖(下)』)
・だがそれでも、なにかが心に突き刺さっているような、異様な感触がある。
(出典:上遠野浩平『わたしは虚夢を月に聴く 校正6-3-15』)
・この街で、春の感触は自然の中にはあまり見ることが出来なかった。
(出典:佐多稲子『くれない』)
・夜の闇色と感触がずしんと深まつてゐて、今はまるで海のやうだ。
(出典:原民喜『魔のひととき』)
類語
・気配(けはい)
意味:はっきりとは見えないが、漠然と感じられるようす。(出典:デジタル大辞泉)
・気味(きみ)
意味:ある事態や物事から受ける感じ。また、その感じた気持ち。(出典:)
・様子(ようす)
意味:物事の起きそうなけはい。兆候。(出典:デジタル大辞泉)
・印象(いんしょう)
意味:人間の心に対象が与える直接的な感じ。また、強く感じて忘れられないこと。(出典:デジタル大辞泉)
感触の意味②「手や肌に触れた感じ。手ざわり。肌ざわり。」
「感触」の二つ目の意味は「手や肌に触れた感じ。手ざわり。肌ざわり。」です。
この意味では、実際に触覚で感じ取った感覚を表します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・電気を消してからは、よりいっそう相手の肌の感触が濃密に感じられた。
(出典:乾くるみ『イニシエーション・ラブ』)
・息をするたびに触れたり離はなれたりする、その布の感触さえ心地よかった。
(出典:上橋菜穂子『獣の奏者 III 探求編』)
・ナイフの金属部分が革と擦れる、キュッという感触が手に伝わって来た。
(出典:乾くるみ『Jの神話』)
・皮膚上を撫でる彼らの感触にはそれぞれ特徴があった。
(出典:乙一『さみしさの周波数』)
類語
・触感(しょっかん)
意味:物に触れたとき手や肌で受ける感じ。感触。(出典:デジタル大辞泉)
・手触り(てざわり)
意味:手でさわったときの感じ。手に受ける感触。(出典:デジタル大辞泉)
・体感(たいかん)
意味:からだで感じること。また、からだが受ける感じ。(出典:デジタル大辞泉)
・肌触り(はだざわり)
意味:肌に触れたときに受ける感じ。(出典:デジタル大辞泉)