愛顧
「ご愛顧たまわる」などのように使う「愛顧」という言葉。
「愛顧」は、音読みで「あいこ」と読みます。
「愛顧」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「愛顧」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
愛顧の意味
「愛顧」には次の意味があります。
・目をかけ引き立てること。引き立てられる側からいう語。ひいき。(出典:デジタル大辞泉)
「愛顧」をわかりやすく言うと「気に入ってかわいがり、ひいきにすること」という意味です。
ひいきにされる方が使うことの多い言葉になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・日ごろのご愛顧に報いるためのサービス強化月間ですから、メーカーに関係なく喜んでみさせてもらいます。
(出典:森村誠一『科学的管理法殺人事件』)
・みんなは相変わらず私を愛顧し、私を愉快に遇してくれてはいたのである。
(出典:ドストエフスキー/北垣信行訳『カラマーゾフの兄弟』)
・ご愛顧いただきましたが、十一月末で閉店することになりました。
(出典:宮部みゆき『名もなき毒』)
・身にあまる愛顧をうけて、源氏のおかげでたちまち幸運をつかんだのだった。
(出典:田辺聖子『新源氏物語』)
・彼女は、ルージンがどうして父の愛顧を否定したのか、ふつふつ合点がいかなかったのである。
(出典:ドストエフスキー/北垣信行訳『罪と罰(下)』)
類語
・贔屓(ひいき)
意味:気に入った人を特に引き立てること。後援すること。また、引き立てる人。(出典:デジタル大辞泉)
・特別扱い(とくべつあつかい)
意味:他とは違う扱いをすること。(出典:デジタル大辞泉)
・判官贔屓(はんがんびいき)
意味:不遇な者、弱い者に同情し肩を持つこと。また、その感情。ほうがんびいき。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・恩顧(おんこ)
意味:目上の者が目下の者に情けをかけること。また、目下の者が目上の者から目をかけられていること。めぐみ。ひいき。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・寵する(ちょうする)
意味:特別にかわいがる。愛する。いつくしむ。(出典:デジタル大辞泉)