愁訴
「人々の愁訴」などのように使う「愁訴」という言葉。
「愁訴」は、音読みで「しゅうそ」と読みます。
「愁訴」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「愁訴」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
愁訴の意味
「愁訴」には次の意味があります。
・なげきうったえること。事情をうちあけて同情を請うこと。また、そのうったえ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
明るい希望や要望を打ち明けて訴えることでは無く、辛いことや苦しいことを相手に強く理解して欲しいと行動することです。
病院での患者の訴えや裁判の原告側の訴えなどを説明するときに多く用いられる言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・死なねばならない運命のたえがたい苦悶を愁訴した。
(出典:ヘッセ/永野藤夫訳『知と愛』)
・重篤の者には重湯を、愁訴の軽い者には五分粥や三分粥を。
(出典:宮部みゆき『孤宿の人 (下)』)
・結婚の当時から、何かの折に触れては感じた、あの「けれども」という愁訴。
(出典:宮本百合子『渋谷家の始祖』)
・非道な掟が布かれたので、民の愁訴の声、久しく沸き起こっております。
(出典:藤野古白『人柱築島由来』)
・玄関式台にしがみついて愁訴するのも無茶なら、網掛け駕籠を待ちぶせて中の囚人に大声で呼びかけるのも無法きわまる。
(出典:杉本苑子『絵島疑獄(下)』)
類語
・嘆願(たんがん)
意味:情を詳しく述べて熱心に頼むこと。(出典:デジタル大辞泉)
・泣き付く(なきつく)
意味:泣かんばかりに頼み込む。哀願する。(出典:デジタル大辞泉)
・拝み倒す(おがみたおす)
意味:拝むように繰り返し頼んで、むりやり承知させる。(出典:デジタル大辞泉)
・アピールする
意味:人々や世論などに広く訴えること。また、その訴え。(出典:デジタル大辞泉)
・哀訴(あいそ)
意味:嘆き悲しんで訴える。(出典:普及版 字通)