情操
「情操を養う」などのように使う「情操」という言葉。
「情操」は、音読みで「じょうそう」と読みます。
「情操」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「情操」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
情操の意味
「情操」には次の意味があります。
・美しいもの、すぐれたものに接して感動する、情感豊かな心。道徳的・芸術的・宗教的など、社会的価値をもった複雑な感情。(出典:デジタル大辞泉)
英語の「sentiment」の和訳で、学問・宗教・芸術などに持続的にいだく複雑な感情的傾向や情感ゆたかな心を意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・そしてこの種の情操は、江戸時代の文化に全くなかったものなのである。
(出典:萩原朔太郎『郷愁の詩人 与謝蕪村』)
・この徳義的情操を標準にしたものを総称して善の理想と呼ぶ事ができます。
(出典:夏目漱石『文芸の哲学的基礎』)
・そしてわが政府の方針は、実に国民の情操にぴったり合っていたのだ。
(出典:豊田穣『松岡洋右――悲劇の外交官――(下)』)
・人々の抱くその感懐が伝統の強き情操に育まれきたったであろうと思う。
(出典:佐藤垢石『わが童心』)
・彼のうちにある貴族的な童貞的な情操は、兵役の義務にたいして反発した。
(出典:ロラン・ロマン『ジャン・クリストフ』)
・この情操に相当するものは、西洋の感情生活のなかにはない。
(出典:ハーン/平井呈一訳『心』)
・自己の情操を満足させるという点から云ったら満足に違ない。
(出典:夏目漱石『創作家の態度』)
・かなり本当のこととその情操を感じたこともあります。
(出典:木村荘八『少年の食物)