忸怩
「忸怩たる思い」などのように使う「忸怩」という言葉。
「忸怩」は、音読みで「じくじ」と読みます。
「忸怩」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「忸怩」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
忸怩の意味
「忸怩」には次の意味があります。
・自分の行ないなどについて、自分で恥ずかしく思うさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
忸怩はそれぞれの漢字一字でも「恥に思う」や「恥じ入る」という意味を持ちます。
主に反省を伝える際に用いられますが、悔しいという意味は持たないため、使用する際には注意が必要です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・自分としては非常に忸怩とした、冷汗を催もよおされる感じなんだが。
(出典:葛西善蔵『死児を産む』)
・三通り書いたのだが、うまくいかず、忸怩たる思いをする。
(出典:山口瞳『還暦老人ボケ日記』)
・かえりみて、私がどれだけのエチケットを守り得ているかと思うと、忸怩たらざるをえない。
(出典:山口瞳『酒呑みの自己弁護』)
・それとも、自分の人生に忸怩たるものを感じているのだろうか。
(出典:花村萬月『幸荘物語』)
・そしてその想いに対し、切嗣は内心で、常に忸怩たる感情を抱いていた。
(出典:虚淵玄『Fate/Zero Vol.4 「煉獄の炎」』)
類語
・反省(はんせい)
意味: 自分のよくなかった点を認めて、改めようと考えること。(出典:デジタル大辞泉)
・後悔(こうかい)
意味:自分のしてしまったことを、あとになって失敗であったとくやむこと。(出典:デジタル大辞泉)
・慙愧(ざんき)
意味:自分の見苦しさや過ちを反省して、心に深く恥じること。(出典:デジタル大辞泉)
・羞恥(しゅうち)
意味: はずかしく思うこと。はずべきこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・自責(じせき)
意味:自分で自身のあやまちを責めとがめること。(出典:精選版 日本国語大辞典)