忌憚
「忌憚なく言う」などのように使う「忌憚」という言葉。
「忌憚」は、音読みで「きたん」と読みます。
「忌憚」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「忌憚」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
忌憚の意味
「忌憚」には次の意味があります。
・忌みはばかること。遠慮すること。多く打消の語を伴って用いられる。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「忌憚のない意見」で「遠慮のない意見」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・もしその上で批判すべき点があれば、忌憚のないところを述べればいい。
(出典:内田康夫『後鳥羽伝説殺人事件』)
・親しい友人から受けた忌憚なき非難は、かえって私の心を落ちつかせた。
(出典:和辻哲郎『生きること作ること』)
・ついてはお館の忌憚のないお考えを聞かせていただきたいということであった。
(出典:藤沢周平『漆(うるし)の実のみのる国(下)』)
・こういう時は女性陣のみのほうが、円滑に忌憚のない活動が進むでしょう。
(出典:谷川流『11 涼宮ハルヒの驚愕(後)』)
・防戦上の誤算というよりは、人間としての未熟さを忌憚なく出している。
(出典:吉川英治『新書太閤記』)
類語
・憚る(はばかる)
意味:対象を敬遠する気持があって距離を置く。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・畏敬(いけい)
意味:偉大な人や権力のある人を、おそれうやまうこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・自粛(じしゅく)
意味:自分から進んで、行いや態度を慎むこと。(出典:デジタル大辞泉)
・遠慮(えんりょ)
意味:人に対して、言葉や行動を慎み控えること。(出典:デジタル大辞泉)
・気遣い(きづかい)
意味:あれこれと気をつかうこと。心づかい。(出典:デジタル大辞泉)