得恋
「得恋の喜び」などのように使う「得恋」という言葉。
「得恋」は、音読みで「とくれん」と読みます。
「得恋」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「得恋」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
得恋の意味
「得恋」には次の意味があります。
・恋愛が成就すること。(出典:デジタル大辞泉)
つまり、恋がかなえられることです。
失恋に対していう言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・その三は、得恋しても結婚出来ず、別れねばならぬこともある。
(出典:亀井勝一郎『青春論』)
・この得恋の苦しみは、私の始めての経験だから、これは私の初恋であったに相違ない。
(出典:坂口安吾『二十七歳』)
・得恋は喜びであり、失恋は悲しみであるが、悲しみは精神を産むための陣痛のような役割をする。
(出典:亀井勝一郎『青春論』)
・この場合、失恋は得恋よりも大きな役割を果すかもしれない。
(出典:亀井勝一郎『青春論』)
・得恋といふ男女二人同じ状態にあるときは、女の方が生れながらに図太いもので、現実的な性格がよく分るものであり、だから女の酒飲みが少いのかも知れぬ。
(出典:坂口安吾『酒のあとさき』)
・得恋は失恋と同じ苦痛と不安と狂気にみちている。
(出典:坂口安吾『二十七歳』)
・実際此の失恋でもない、況んや得恋でもない、謂はゞ無恋の心もちが、一番悲惨な心持なんだ。
(出典:久米正雄『良友悪友』)
・恋愛というと得恋、メデタシメデタシと考えて、なんでもそうでなければならないものだときめているが、失恋などというものも大いに趣味のあるもので、第一、得恋メデタシメデタシよりも、よっぽど退屈しない。
(出典:坂口安吾『悪妻論』)