従容
「従容たる態度」などのように使う「従容」という言葉。
「従容」は、音読みで「しょうよう」と読みます。
「従容」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「従容」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
従容の意味
「従容」には次の意味があります。
・ ゆったりと落ち着いているさま。危急の場合にも、慌てて騒いだり焦ったりしないさま。(出典:デジタル大辞泉)
「従容たる態度」であれば、「落ち着いた態度」という意味になります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・なおこの紳士は申し分のない体格で、その動作は従容としたものだった。
(出典:マン・パウル・トーマス『道化者』)
・それとも根っからのリアリストゆえ、死という現実を従容と受け入れたのか。
(出典:永瀬隼介『サイレント・ボーダー』)
・更に又杯盤狼藉の間に、従容迫らない態度などは何とはなしに心憎いものがある。
(出典:芥川竜之介『久米正雄』)
・左右の家並みにもたれて、二重の柵となった幹の向こうから、従容たる声が言った。
(出典:菊地秀行『吸血鬼ハンター8 D-薔薇姫』)
・その従容たる心はどこへいったか。
(出典:山田風太郎『忍法帖7 魔界転生 下』)
類語
・沈着(ちんちゃく)
意味:落ち着いて物に動じないこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・平静(へいせい)
意味:態度・気持ちが落ち着いていること。(出典:デジタル大辞泉)
・自若(じじゃく)
意味:大事に直面しても、落ち着いて、態度の平常と変わらないこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・事も無げ(こともなげ)
意味:なんでもないかのように平然としているさま。(出典:デジタル大辞泉)
・平然(へいぜん)
意味:何事もなかったように落ち着きはらっているさま。(出典:デジタル大辞泉)