彼方
「はるか彼方」などのように使う「彼方」という言葉。
「彼方」は「かなた」と読みます。
「彼方」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「彼方」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
彼方の意味
「彼方」には次の意味があります。
・話し手・聞き手の双方から離れた場所・方向をさす。また、現在から遠く離れた過去・未来を示す。あちら。あっち。(出典:デジタル大辞泉)
「はるか彼方」で「非常に遠く離れたところ」という意味になります。
距離だけでなく、時間的に離れた過去や未来などを意味することもあります。
また、彼方は「あるものに隔てられた向こう側」という意味も持ちます。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・見ると遥か彼方に船の破片に抱きついて、浮んでいる一人の男があった。
(出典:三上於菟吉『グロリア・スコット号』)
・いま離陸したばかりの一編隊がもう山の彼方に消え去らうとしていた。
(出典:岸田国士『北支物情』)
・城太郎はもう客を置いて彼方へ駈け出していた。
(出典:吉川英治『宮本武蔵』)
・それももう遠い昔の出来事で、記憶の彼方に消えて行って仕舞ったように思えた。
(出典:岡本かの子『母子叙情』)
・自分のものになるものは、まだあまり遠い彼方にある、 という心持である。
(出典:宮本百合子『地は饒なり』)
類語
・向こう(むこう)
意味:物を隔てた、あちらの方。(出典:デジタル大辞泉)
・彼方此方(あちこち)
意味:あちらこちら。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・遠い(とおい)
意味:場所が非常に離れている。(出典:デジタル大辞泉)
・永遠(えいえん)
意味:いつまでも果てしなく続くこと。時間を超えて存在すること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)