彷彿
「彷彿とさせる」などのように使う「彷彿」という言葉。
「彷彿」は、音読みで「ほうふつ」と読みます。
「彷彿」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「彷彿」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
彷彿の意味
「彷彿」には次の意味があります。
・ありありと眼前に見えること。はっきりと脳裏に浮かぶこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「彷彿」をわかりやすく言うと、「イメージが明瞭に浮かぶこと」という意味になります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・教授がその言葉を口にするとき、父の姿が彷彿されるのが妙であった。
(出典:森見登美彦『有頂天家族』)
・鳥たちはみな、生きている時を彷彿とさせるような姿に展示してある。
(出典:久美沙織『小説 エマ 2』)
・この歌も前の歌と共通した特徴があって、人麿を彷彿せしむるものである。
(出典:斎藤茂吉『万葉秀歌』)
・次に私の過去の旅行の数々の出来事が眼前にパノラマのごとく彷彿とした。
(出典:ヘディン/岩村忍訳『中央アジア探検記』)
・はるか昔、テレビのやらせ番組に登場した宇宙人の死体を彷彿とさせられた。
(出典:鈴木光司『ループ』)
類語
・憑依(ひょうい)
意味:頼りにすること。よりどころにすること。(出典:デジタル大辞泉)
・似通う(にかよう)
意味:互いによく似ている。(出典:デジタル大辞泉)
・比類(ひるい)
意味:それとくらべられるもの。同じたぐいのもの。(出典:デジタル大辞泉)
・空似(そらに)
意味:血縁関係がないのに顔つきなどがよく似ていること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・躍如(やくじょ)
意味:いきいきとしていて目の前に見えるさま。(出典:デジタル大辞泉)