弛緩
「筋肉が弛緩する」などのように使う「弛緩」という言葉。
「弛緩」は、音読みで「しかん」と読みます。
「弛緩」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「弛緩」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
弛緩の意味
「弛緩」には次の意味があります。
・ゆるむこと。たるむこと。心のゆるむこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「筋肉が弛緩する」で「筋肉がゆるむ」という意味になります。
「弛緩」は、慣用読みで「ちかん」とも読みます。
対義語は「緊縮(きんしゅく)」です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・強張っていた全身の筋肉が弛緩していくのが分かった。
(出典:楡周平『マリア・プロジェクト』)
・緊張のあとには弛緩がくるし、集中したあとにはぼんやりしたいものです。
(出典:沖藤典子『女が会社へ行きたくない朝』)
・一日の終りの弛緩した時間をのせて、電車はまだ街の上を走っていた。
(出典:石川達三『青春の蹉跌』)
・優柔不断に立っていないし、弛緩した表情も一度として見せていない。
(出典:里中哲彦『鬼平犯科帳の真髄』)
・その心の弛緩が取組に出て、一方的に土俵外へ持っていかれたのである。
(出典:もりたなるお『土俵に棲む鬼 相撲小説集』)
類語
・寛ぐ(くつろぐ)
意味:心身をゆったりと休める。(出典:デジタル大辞泉)
・緩和(かんわ)
意味: 物事の状態のきびしさや激しさの程度をやわらげたり、ゆるめたりすること。 (出典:精選版 日本国語大辞典)
・気を許す(きをゆるす)
意味:相手を信用して警戒心や緊張をゆるめる。(出典:デジタル大辞泉)
・閑却(かんきゃく)
意味:いい加減にほうっておくこと。(出典:デジタル大辞泉)
・忘我(ぼうが)
意味:熱中して我を忘れること。物事に心を奪われ、うっとりとなること。(出典:精選版 日本国語大辞典)