幻惑
「トリックに幻惑される」などのように使う「幻惑」という言葉。
「幻惑」は、音読みで「げんわく」と読みます。
「幻惑」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「幻惑」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
幻惑の意味
「幻惑」には次の意味があります。
・人の目先をまどわすこと。(出典:デジタル大辞泉)
実際には存在しないものや、事実とは異なるものによって人をまどわすことを意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・クリストフはそういうふうにして自分が友の上に及ぼしてる幻惑に気づいた。
(出典:ロラン・ロマン『ジャン・クリストフ』)
・ある種の男たちと同様、わたしも礼子の濃厚な存在感にひそかに幻惑されていた。
(出典:藤堂志津子『熟れてゆく夏』)
・それこそ師が、ある種の幻惑的な才能を恐れはばかるゆえんである。
(出典:ヘッセ/高橋健二訳『ガラス玉演戯(下)』)
・普通の小説の場合は、作者が読者に心情を伝えやすいのだが、また幻惑しやすいともいえる。
(出典:星新一『きまぐれ博物誌・続』)
・あのままだと精霊の世界に幻惑されたまま意識が戻ってくることはなかっただろう。
(出典:池上永一『テンペスト1 若夏の巻』)
類語
・惑乱(わくらん)
意味:心がまどい乱れること。また、人の心をまどわし乱すこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・錯誤(さくご)
意味:まちがうこと。また、その人の認識と客観的事実とが一致しないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・迷妄(めいもう)
意味:道理がわからず、事実でないことを事実だと思い込むこと。(出典:デジタル大辞泉)
・当惑(とうわく)
意味:迷いとまどうこと。処置に迷うこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・幻覚(げんかく)
意味:実際に感覚的刺激や対象がないのに、あるように知覚すること。(出典:デジタル大辞泉)