帯に短し襷に長し
「帯に短し襷に長しで困っている」などのように使う「帯に短し襷に長し」という言葉。
「帯に短し襷に長し」は、「おびにみじかしたすきにながし」と読みます。
「帯に短し襷に長し」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「帯に短し襷に長し」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
帯に短し襷に長しの意味
「帯に短し襷に長し」には次の意味があります。
・布の長さが帯にするには短くて足らず、たすきにするには長すぎる。何か作るときの素材、問題を解決するための手だてや人材などが中途半端で、適切なものがなかったり、いなかったりすることのたとえ。(出典:ことわざを知る辞典)
簡単に言い換えると、中途半端で役に立たないという意味です。
条件にかなう適切なものはなかなか見つからないものだ、というニュアンスも含んでいます。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・なお、装備が一種類の砲で統一されていない理由は、帯に短し襷に長しという事態を避けるためであった。
(出典:佐藤大輔『皇国の守護者1 反逆の戦場』)
・後ぞいをもらわぬ気でもなし、またいろいろ世話をしてくれた人もあるが、古いたとえの、帯に短し襷に長し、でもう四十にまもないのにこのところ、一人者である。
(出典:浜尾四郎『殺人鬼』)
・半六が中心になって獅子奮迅で江戸市中くまなく調べにあたっているけれど、いざとなると下世話にいう帯に短し襷に長しで、これだと即座に手を打てるのがいない。
(出典:半藤一利『幕末辰五郎伝』)
・なら、温泉の出る海辺へ行けばいいのだが、そうなると帯に短し襷に長しで、適当なところが見つからない。
(出典:菊地秀行『トレジャー・ハンター8 エイリアン邪海伝』)
・正しい意味を知ろうとしても、身近に生き字引きのおばあさんやおかあさんはいず、巷に氾濫することわざ関係の本をひもといて知ろうとしても、項目はあるものの、解説は僅わずかに二、三行で片付けられていて、「帯に短し襷に長ながし」、実際の役には立たないのが実状です。
(出典:平野雅章『熱いが御馳走 食物ことわざ事典II』)
・長さのほうも、中途半端なのである。こういうのを、 「帯に短し襷に長し」 という。
(出典:青木雨彦『ことわざ雨彦流』)
・バッグをプレゼントされたけど、仕事用にしては書類が入らないし、お出かけ用にしては大きくて、帯に短し襷に長しだわ。
・英語を改めて勉強しようと思い参考書を探したが、帯に短し襷に長しで、自分の今のレベルに合うちょうどいい参考書が見つからなかった。