尺
「尺をはかる」などのように使う「尺」という言葉。
「尺」は、音読みで「しゃく」と読みます。
「尺」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「尺」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
尺の意味
「尺」には次の三つの意味があります。
1 尺貫法の長さの基本単位。
2 長さ。たけ。
3 物差し。 (出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
尺の意味①「尺貫法の長さの基本単位。」
「尺」の一つ目の意味は「尺貫法の長さの基本単位。」です。
尺とは、昔の長さの測り方で1寸の10倍。1丈の10分の1になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・雪の中をまた一里ばかり下りますと石で幅三尺位の道が出来て居る。
(出典:河口慧海『チベット旅行記』)
・白金の浅虫家の庭は下から五十尺余という高い崖になっているのである。
(出典:坂口安吾『明治開化 安吾捕物』)
・一尺の雪といえば東京だって年に一二度はそれぐらい積ることがあるのだ。
(出典:坂口安吾『安吾新日本風土記』)
類語
・寸(すん)
意味:尺貫法の長さの単位。1寸=1/10尺=100/33cm≒3.0303cm。(出典:百科事典マイペディア)
・センチメートル
意味:メートル法の長さの単位。(出典:単位名がわかる辞典)
尺の意味②「長さ。たけ。」
「尺」の二つ目の意味は「長さ。たけ。」です。
この意味では物だけでなく時間の長さなども測ります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・もしこれが吹き替え翻訳であれば、すぐに尺が合わなくなるでしょう。
(出典:サン=テグジュペリ・アントワーヌ・ド『あのときの王子くん』)
・さういふ物差で他人の作品を計り、これは尺足らずだと云はれるのも御勝手である。
(出典:岸田国士『小山内君の戯曲論』)
・尺が足りない。
類語
・尺度(しゃくど)
意味:長さ。寸法。(出典:デジタル大辞泉)
・規矩(きく)
意味:動作などが規則正しく行なわれること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
尺の意味③「物差し。」
「尺」の三つ目の意味は「物差し。」です。
尺は長さのことだけでなく、物差し自体のことも表します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・このまき尺のはしを持って、壁のすみへあてていてくれたまえ。
(出典:江戸川乱歩『塔上の奇術師』)
・吉助はもう頭が眩んでしまって、結局お定の指尺通りに動くことになった。
(出典:岡本綺堂『半七捕物帳』)
・だからよ、此奴を買って行って、尺に合わせて計ってみるがいい。
(出典:国枝史郎『天主閣の音』)
類語
・定規(じょうぎ)
意味:物を裁断したり、線を引いたりするのにあてがって使う器具。(出典:デジタル大辞泉)
・物差(ものさし)
意味:物の長さを測る用具。(出典:デジタル大辞泉)
・メジャー
意味:巻き尺。(出典:デジタル大辞泉)