寛恕
「寛恕な心の持ち主」などのように使う「寛恕」という言葉。
「寛恕」は、音読みで「かんじょ」と読みます。
「寛恕」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「寛恕」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
寛恕の意味
「寛恕」には次の意味があります。
・心が広く、思いやりのあること。また、心が広くて、あやまちなどをとがめだてせず許すこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「寛」は、「広い、くつろぐ」という意味を持つ字で、「恕」は「許す、思いやる」という意味を持ちます。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・その点については読者の寛恕を乞わなければならない次第であると思っている。
(出典:宮本百合子『今日の文学の展望』)
・それは意図せざる類似ということでご寛恕いただけると幸いです。
(出典:ラヴクラフト・ハワード・フィリップス『チャールズ・デクスター・ウォードの事件』)
・それには、死人を筈打つまいとする寛恕も働いたようである。
(出典:セルバンテス/荻内勝之訳『ペルシーレス(上)』)
・中断の強要を寛恕されることを心より願いつつ、わたしは分別ある行動を期待する。
(出典:ブリン『サンダイバー』)
・信仰によって永島の心には焦躁にかわって寛恕が宿り周囲を眺める目がちがってきた。
(出典:大鹿卓『渡良瀬川』)
類語
・酌量(しゃくりょう)
意味:酒または米などの量をはかること。転じて、決定、処分などにあたって事情をよく考慮すること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・宥免(ゆうめん)
意味:罰などをゆるやかにしてゆるすこと。寛大に罪をゆるすこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・容赦(ようしゃ)
意味:ゆるすこと。大目に見ること。(出典:デジタル大辞泉)
・寛大(かんだい)
意味:心が広くゆったりしていること。おおようであること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・雅量(がりょう)
意味:度量が大きく、人をよくうけいれる心。(出典:精選版 日本国語大辞典)