安易
「安易な考え」などのように使う「安易」という言葉。
「安易」は、音読みで「あんい」と読みます。
「安易」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「安易」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
安易の意味
「安易」には次の二つの意味があります。
1 困難がないこと。たやすいこと。また、そのさま。
2 特別な工夫や努力のないこと。深く考えないこと。また、そのさま。 (出典:大辞林 第三版)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
安易の意味①「困難がないこと。たやすいこと。また、そのさま。」
「安易」の一つ目の意味は「困難がないこと。たやすいこと。また、そのさま。」です。
「楽な」という意味で使われることが多いです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・最初から安易な道を選んだ人たちとの間に差をつけられるのは当然でしょ。
(出典:森村誠一『致死家庭』)
・勿論そういう安易労働に多くの社会的効用を期待することは出来ない。
(出典:戸坂潤『娯楽論』)
・人とコンピュータの垣根は、そんな安易に超えられるものではない。
(出典:茶屋二郎『遠く永い夢(上)-本能寺 信長謀殺の真実-』)
・血も凍って血管注射出来なくなる類の映画だということは安易に予想出来る。
(出典:阿智太郎『僕の血を吸わないで2』)
類語
・手軽い(てがるい)
意味:手数がかからない。(出典:デジタル大辞泉)
・簡単(かんたん)
意味:時間や手数がかからないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・易しい(やさしい)
意味:解決や実現が容易だ。たやすい。(出典:大辞林 第三版)
・イージー
意味:たやすいさま。平易なさま。(出典:大辞林 第三版)
安易の意味②「特別な工夫や努力のないこと。深く考えないこと。また、そのさま。」
「安易」の2つ目の意味は「特別な工夫や努力のないこと。深く考えないこと。また、そのさま。」です。
一見①の意味と似ていますが、こちらは「いいかげん」や「のんき」など、少しネガティブなニュアンスを含むこともあります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・安易に彼に同情したり、彼のことをわかったような気分になってはいけない。
(出典:宮部みゆき『模倣犯 下』)
・安易に助けを求める男では ないが、意地を張って無理をする奴でもない。
(出典:安井健太郎『ラグナロク 第01巻 黒き獣』)
・御堂筋を挾んだ西側のアメリカ村と対にするために安易に命名されたのだ。
(出典:有栖川有栖『ダリの繭』)
・だが、警察に知られた以上、もう安易にここに近づくことはなくなる。
(出典:初野晴『水の時計』)
類語
・安直(あんちょく)
意味:簡単で手軽なさま。また、いい加減なさま。(出典:デジタル大辞泉)
・軽率(けいそつ)
意味:よく考えずに物事を行うさま。かるはずみなさま。(出典:大辞林 第三版)
・無考え(むかんがえ)
意味:深い考えや思慮のないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・軽はずみ(かるはずみ)
意味:よく考えないで調子に乗って物事をする・こと(さま)(出典:大辞林 第三版)