安住
「安住の地」などのように使う「安住」という言葉。
「安住」は、音読みで「あんじゅう」と読みます。
「安住」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「安住」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
安住の意味
「安住」には次の二つの意味があります。
1 何の心配もなく落ち着いて住むこと。
2 それ以上を望まず、現にある境遇に満足していること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
安住の意味①「何の心配もなく落ち着いて住むこと。」
「安住」の一つ目の意味は「何の心配もなく落ち着いて住むこと。」です。
土地や家に安心して住むことを意味します。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼らにとって安住の地が、なぜ自分にとって安住の地となり得ないのか。
(出典:三浦綾子『細川ガラシャ夫人』)
・いかにも風当りの強いところを避けて、安住の地を得ている感じである。
(出典:田中澄江『花の百名山』)
・母星は失われたけれども、われわれは今やっと安住の地を見つけたんだよ。
(出典:ホーガン『ガニメデの優しい巨人』)
・住して居る所は確かに極東の日本であるが、自分の心には安住の国がない。
(出典:与謝野晶子『註釈与謝野寛全集』)
類語
・オアシス
意味:疲れをいやし、心に安らぎを与えてくれる場所。(出典:デジタル大辞泉)
・住めば都(すめばみやこ)
意味:どんな所でも、住み慣れるとそこが居心地よく思われてくるということ。(出典:デジタル大辞泉)
・安息(あんそく)
意味:何の煩いもなく、くつろいで休むこと。(出典:デジタル大辞泉)
・終の棲家(ついのすみか)
意味:最後に安住する所。(出典:デジタル大辞泉)
安住の意味②「それ以上を望まず、現にある境遇に満足していること。」
「安住」の二つ目の意味は「それ以上を望まず、現にある境遇に満足していること。」です。
社会での自分の地位や、環境などに満足している際に使われるのがこの意味です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ところがあなたはそれにすっかり安住して、学生なんかを愛している。
(出典:原田義人『審判』)
・父子二代、ついにアジュマーンの下に安住はできぬもののようであった。
(出典:田中芳樹『タイタニア3 旋風篇』)
・ちまちまとした幸福に安住するより、いつも自分の可能性に挑戦している。
(出典:阿刀田高『花の図鑑(下)』)
・彼は社会に同一化する理由はないし、身分社会のなかで安住する連中にへいこらすることもない。
(出典:今村仁司『「大菩薩峠」を読む ―峠の旅人』)
類語
・現状に甘んじる(げんじょうにあまんじる)
意味:現在の状態をそのまま受け入れる。(出典:デジタル大辞泉)
・飼い慣らされる(かいならされる)
意味:都合のよいように手なずけられる。(出典:デジタル大辞泉)
・安寧(あんねい)
意味:穏やかで安定していること。(出典:デジタル大辞泉)
・ぬるま湯につかる(ぬるまゆにつかる)
意味:刺激や緊張のない境遇や生活。(出典:デジタル大辞泉)