大器
「未完の大器」などのように使う「大器」という言葉。
「大器」は、音読みで「たいき」と読みます。
「大器」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「大器」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
大器の意味
「大器」には次の二つの意味があります。
1 大きな入れ物。
2 人並みはずれてすぐれた才能・器量。また、それのそなわった人物。大人物。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
大器の意味①「大きな入れ物。」
「大器」の一つ目の意味は「大きな入れ物。」です。
「大器で水を汲む」などのように、使われるのがこの意味です。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・彼は大器をこのまま組の中に置くことに、やはり危険を予想したのである。
(出典:山田風太郎『姦の忍法帖』)
・最高の大器だったのである。
(出典:柴田錬三郎『(柴錬立川文庫1) 猿飛佐助』)
・水を運ぶのに十分な大器だ。
・大勢の客を呼ぶために大器を準備する。
・この大器は相当値が張った。
大器の意味②「人並みはずれてすぐれた才能・器量。また、それのそなわった人物。大人物。」
「大器」の二つ目の意味は「人並みはずれてすぐれた才能・器量。また、それのそなわった人物。大人物。」です。
この意味は実際に入れ物のことではなく、「すぐれた才能や器量を持った人」のことを言います。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・己を大器と信じていても、入れる水がなければ真実は分からない。
(出典:水野良『ロードス島戦記 外伝「黒衣の騎士」』)
・そしてその大器を自分の手で育てるために猛然と動きはじめたのよ。
(出典:森絵都『DIVE!! 上』)
・芙沙子にはうしろを向かせておいて、三人の中から大器を選んで見ろと言った。
(出典:宗田理『2年A組探偵局 仮面学園殺人事件』)
・じぶんのえらんだ眼に狂いはなく、この主人がなかなかの大器であることに満足したのだ。
(出典:山田風太郎『風来忍法帖』)
・小事を処理するのに大器を用いる必要はないとの意。
(出典:施耐庵/駒田信二訳『水滸伝(六)』)