塵も積もれば山となる
「塵も積もれば山となるから小さい努力の積み重ねが必要」などのように使う「塵も積もれば山となる」という言葉。
「塵も積もれば山となる」は、「ちりもつもればやまとなる」と読みます。
「塵も積もれば山となる」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「塵も積もれば山となる」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
塵も積もれば山となるの意味
「塵も積もれば山となる」には次の意味があります。
・ごくわずかなものでも数多く積み重なると、動かしようのない高大なものとなるというたとえ。また、小さな努力でもたゆまず続けていくと、いつか大きな成果が得られることのたとえ。(出典:ことわざを知る辞典)
この「塵」はゴミではなく、ごく小さなものを指しています。
ほんのちょっとしたことでも数が多くなれば、あるいは数をたくさんこなせば大きな成果となる、ということを意味しています。
インド大乗仏教の論書『大智度論』の中で、ちょっとした怒りや欲望でも、それを重ねていると魂が救われるのがむずかしくなる、ということを「微塵を積みて山と成し、移動するを得べきこと難きがごとし(微少な塵を積み上げて作り上げた山でも、動かすことが困難であるようなものだ)」と例えられたことが由来となっている言葉です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・時給は安いけど、塵も積もれば山となると思ってがんばろう。
・塵も積もれば山となるから、1日3個ずつ英単語を覚えるのを続けよう。
・たとえそのときは少額でも塵も積もれば山となるから、我慢して節約しないと。
類語
・水積もりて川を成す(みずつもりてかわをなす)
意味:水が集まって、ついには大きな川となる。小さなものでも集まれば大きくなるたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
・滴り積もりて淵となる(したたりつもりてふちとなる)
意味:わずかなものでも多く集まれば大きなものとなるたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
・雀の巣も構うに溜まる(すずめのすもくうにたまる)
意味:雀が材料を少しずつ運んできて巣を作り上げるように、少しずつ貯蓄をしても積もり積もれば大きな額になる。(出典:デジタル大辞泉
・積羽舟を沈む(せきうふねをしずむ)
意味:羽のように軽いものも、多く積もれば重くなって舟を沈めるようになる。転じて、小事も積もれば大事となるたとえ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)
意味:小さなことを根気よく続ければ、やがて大きなことを成し遂げられるということ。(出典:故事成語を知る辞典)