基軸
「基軸通貨」などのように使う「基軸」という言葉。
「基軸」は、音読みで「きじく」と読みます。
「基軸」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「基軸」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
基軸の意味
「基軸」には次の意味があります。
・ものごとのもととなり、中心となるところ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
わかりやすくいうと、同種のものがいろいろあるもののうち、その中心や中心的な働きをするものという意味です。主に物に用いられる言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・どうやら首長制のようなものが生まれかけているようだが、血縁を基軸にした氏族制度などは皆無である。
(出典:加藤秀俊『一年諸事雑記帳(下) 7月~12月』)
・私は後輪の基軸の上の最も乗り心地の悪い場所に移った。
(出典:カヴァン『氷』)
・太陽信仰は古代エジプト三千年を一貫して堅固な位置をもちつづける基軸信仰である。
(出典:酒井傳六『古代女王ものがたり』)
・非戦闘員への悪質な暴行を憎むよりも、皇軍の名誉が基軸になった。
(出典:保阪正康『東條英機と天皇の時代(上) 軍内抗争から開戦前夜まで』)
・多少手前味噌的な整理を試みすぎたきらいもないでもないが、アメリカ及びフランスの民俗学研究は、たしかに、こういった転回点を基軸にして、一つのルネッサンス期を迎えつつあるように思われる。
(出典:山口昌男『道化的世界』)
・日米安保体制にもとづく日米関係が基軸であることに変わりはなかったが、そこにアラブ寄りというひとつの異質な要素が加わったのである。
(出典:水木楊『田中角栄 その巨善と巨悪』)
・二十世紀の世界に資本主義という繁栄の基軸をもたらした大英帝国は、そのビジネスの質をさっさと変えていたのだが、しかしそのミニスカートも、一九六九年を最後に終焉の時を迎える。
(出典:橋本治『二十世紀(下)』)
・フリッツ・ハイマンの独自性は、従来のこうしたマラーノ像を破って、それをまさに現代の問題としてとらえなおそうとする歴史認識を基軸にしている点なのだ。
(出典:小岸昭『スペインを追われたユダヤ人 ―マラーノの足跡を訪ねて』)