均衡
「均衡を保つ」などのように使う「均衡」という言葉。
「きんこう」と読みます。
日常生活ではそれほど多く使う機会はありませんが意味を正しく理解していますでしょうか?
この記事では「均衡」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
均衡の意味
「均衡」には次の意味があります。
・二つまたはそれ以上の物事の間で、力や重さなどの釣り合いがとれていること。バランス。(出典:デジタル大辞泉)
「均衡」は物事のバランスを表している言葉の一つとなります。
バランスのことを表す言葉は「均整」など他にもありますが、「均整」が具体的な物事のバランスを示しているのに対し「均衡」は抽象的な物事のバランスに対して使います。
例えば、「国同士の力の均衡が保たれている」のような使い方です。
国同士の力と言うのは具体的に何を指しているかはわかりません。
何を指しているかわからない力など物事に対して均衡を使うのです。
具体的な使い方や例文は下記の通りです。
使い方・例文
・ある意味で、人としてもっとも重要な面でその均衡をとることになった
(出典:佐藤大輔『皇国の守護者2 名誉なき勝利』)
・三日でも、四日でも、均衡の場面を演出しつづけられたかもしれません。
(出典:古川日出男『アラビアの夜の種族3』)
・新しい均衡を得て、太陽は前よりも大きなエネルギーを放散するのです。
(出典:ホーガン『ガニメデの優しい巨人』)
・このようにして気球は、周囲の空気と均衡を保つことができたのである。
(出典:ヴェルヌ/江口清訳『気球旅行の五週間』)
・肉体の純潔を保とうとすることが、想像の奔放自在を誘発して、かえって魂を不潔にすることになった。 神に従うことが、魂の均衡を破って、不安を自分に与えることになった。
(出典:ジッド/山内義雄訳『狭き門』)
・この濃味と均衡をとるにはやっぱり酒は赤でなければいけないだろう。
(出典:開高健『新しい天体』)