困る
「返事が無くて困る」などのように使う「困る」という言葉。
「困る」は、訓読みで「こまる」と読みます。
「困る」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「困る」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
困るの意味
「困る」には次の三つの意味があります。
1ある物事をどう判断・処理してよいかわからず悩む。
2つらいことにあって苦しむ。難儀する。
3不都合である。迷惑する。 (出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
困るの意味①「ある物事をどう判断・処理してよいかわからず悩む。」
「困る」の一つ目の意味は「ある物事をどう判断・処理してよいかわからず悩む。」です。
自身が、取り扱う方法をまったく思いつかなかったり、理解できない時の気持ちを言います。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・此方が表の戸を開けかねて困つてゐるのを見ても知らぬふりをしてゐる。
(出典:高浜虚子『発行所の庭木』)
・電車に乗っていてもう一つ困るのは車の響きが音楽に聴えることです。
(出典:梶井基次郎『橡の花』)
・彼は寝衣の乾かしやうのないのに困つて、ぼんやりと窓外を眺めて居た。
(出典:葛西善蔵『哀しき父』)
困るの意味②「つらいことにあって苦しむ。難儀する。」
「困る」の二つ目の意味は「つらいことにあって苦しむ。難儀する。」です。
ある出来事によって、自身が苦しくなってしまい、ひときわの努力をして苦しさを解決させなければならないときの気持ちのことです。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・その大切な帽子がなくなってしまったのですから僕は本当に困りました。
(出典:有島武郎『僕の帽子のお話』)
・それはその部屋に盗まれて困るものが何一ツないことの証拠でもあろう。
(出典:坂口安吾『都会の中の孤島』)
・ねえ、まるでこれまで知らない人間を扱うように扱われちゃ困りますよ。
(出典:ガードナー/能島武文訳『管理人の飼い猫』)
困るの意味③「不都合である。迷惑する。」
「困る」の三つ目の意味は「不都合である。迷惑する。」です。
言い換えると被害をうけ、自身の言動が一時止められてしまう気持ちのことです。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・だっていきなりどうだって言ったって、返事に困ってしまうじゃないの?
(出典:芥川竜之介『春』)
・一体に東京の女は顎が短くつていけない。尤もあまり長過ぎても困るが、どちらかと云へば少し長い位なのがいい。
(出典:黒田清輝『女の顔』)
・どう考えるか、と突然尋ねられても私は専門家ではないし、困りますな。
(出典:中村正『元首の謀叛』)