四分五裂
「国が四分五裂となる」などのように使う「四分五裂」という言葉。
「四分五裂」は、音読みで「しぶんごれつ」と読みます。
「四分五裂」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「四分五裂」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
四分五裂の意味
「四分五裂」には次の意味があります。
・いくつにも裂けわかれること。ばらばらにわかれて、秩序をなくすこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「四分」は「四つに分かれる」、「五裂」は「五つに裂ける」を意味します。
「四分五裂」は「しぶごれつ」とも読みます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・敵は四分五裂して逃げたが、両騎士団ともそんな雑兵には眼もくれなかった。
(出典:茅田砂胡『大鷲の誓い デルフィニア戦記外伝』)
・ロシア艦隊は混乱の極に達し四分五裂となって、各個に逃走を始めた。
(出典:豊田穣『海軍軍令部』)
・お前は正直もので、いつもお前の表情と、言葉とは一致していたが、今日のお前の表情は四分五裂している。
(出典:武者小路実篤『愛慾・その妹』)
・四分五裂についえ去って、損害ははかり知ることのできぬほどのものとなるのだ。
(出典:海音寺潮五郎『天と地と(一)』)
・朝倉本陣を四分五裂した榊原康政勢は、勢いに乗じて浅井本陣に迫った。
(出典:池宮彰一郎『本能寺(上)』)
類語
・交錯(こうさく)
意味:いくつかのものが入りまじること。(出典:デジタル大辞泉)
・しどろ
意味:秩序がなく乱れていること。乱雑であるさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・狼藉(ろうぜき)
意味:物が乱雑に取り散らかっているさま。(出典:デジタル大辞泉)
・芋を洗うよう(いもをあらうよう)
意味:狭い所で多数の人が込み合うようすのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
・卍巴(まんじどもえ)
意味:卍や巴の模様のように、互いに追い合って入り乱れること。(出典:精選版 日本国語大辞典)