喜捨
「神社へ喜捨する」などのように使う「喜捨」という言葉。
「喜捨」は、音読みで「きしゃ」と読みます。
「喜捨」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「喜捨」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
喜捨の意味
「喜捨」には次の意味があります。
・喜んで寺社や貧しい人に寄付すること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
元々は仏教の教えで利他的な心をもって行動することであり、転じてボランティアや寄付を率先して行い、世間の役に立つ行いによって、自己の心を満たすこと、という意味でも使います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・父はその喜捨のお返しとして、一遍の愛撫を求めるのにすぎなかった。
(出典:バルザック/小西茂也訳『ゴリオ爺さん』)
・主人はわたくしの監督下に、乏しいながらも文字通り喜捨いたします。
(出典:ディケンズ/青木雄造,小池滋訳『荒涼館』)
・永代寺へのご喜捨と言い出したのは、嘉次郎の言葉がもとだった。
(出典:山本一力『あかね空』)
・むしろ他人の喜捨のみで生きるのが真の聖人の生活であるらしく思われる。
(出典:倉田百三『愛と認識との出発』)
・昔の高僧とよばれる人でさえ、人間を救いながら喜捨はうけていました。
(出典:長谷川時雨『平塚明子(らいてう)』)
類語
・贈与(ぞうよ)
意味:特にある者が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方がこれを受諾することによって成立する契約。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・勧進(かんじん)
意味:人に勧めて仏道に入らせ、善根功徳(くどく)を積ませること。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
・献納(けんのう)
意味:神仏や国家、貴人などに物品をさしあげること。たてまつること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・寄贈(きぞう)
意味: 他人に、金銭や物品を与えること。ほどこし。めぐみ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・カンパ
意味:政治的・社会的活動のため、大衆に呼びかけて行う募金活動。また、それに応じて金銭を出すことや、その金銭。(出典:デジタル大辞泉)