哀願
「命だけはと哀願する」などのように使う「哀願」という言葉。
「哀願」は、音読みで「あいがん」と読みます。
「哀願」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「哀願」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
哀願の意味
「哀願」には次の意味があります。
・事情を述べて相手の同情心に訴え、ひたすら頼むこと。(出典:デジタル大辞泉)
「哀願」をわかりやすく言うと、「心からお願いして頼む。」という意味になります。
相手の同情をかうようなお願いの仕方をする意味合いで使います。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼女は自分の魂を取っていかないでくれと哀願して、こう言うのです。
(出典:トルストイ/北垣信行訳『トルストイ民話集2「人間にはたくさんの土地が必要か」』)
・妹のことは養父には黙っていてほしい。そう哀願したときの目の色には演技とは思えないほど必死な色があった。まるで命乞いでもするような目だった。
(出典:今邑彩『暗黒祭(「蛇神」シリーズ最終巻)』)
・そのうえで日本はサッシンに金を返してくれと哀願しなくてはならない。
(出典:松本清張『空の城』)
・じぶんをひとりだけ町へおろすようなことはしてくれるなと哀願した。
(出典:久生十蘭『キャラコさん』)
・涙を流してかきくどく、女の必死の哀願にも、耳を貸そうとしなかった。
(出典:高木彬光『首を買う女』)
類語
・懇請(こんせい)
意味:心を込めてひたすら頼むこと。また、その頼み。(出典:デジタル大辞泉)
・懇願(こんがん)
意味:ねんごろに願うこと。ひたすら お願いすること。(出典:デジタル大辞泉)
・哀訴(あいそ)
意味:同情をひくように、強く嘆き訴えること。(出典:デジタル大辞泉)
・嘆願(たんがん)
意味:事情を詳しく述べて熱心に頼む こと。(出典:デジタル大辞泉)
・切願(せつがん)
意味:心から願うこと。(出典:デジタル大辞泉)