味を占める
「味を占めて犯罪を繰り返す」などのように使う「味を占める」という言葉。
「味を占める」は、訓読みで「あじをしめる」と読みます。
「味を占める」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「味を占める」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
味を占めるの意味
「味を占める」には次の意味があります。
・一度うまくいったことからその妙味を知り、暗に次にも同様のことを期待する。(出典:デジタル大辞泉)
一度味わった成功の味が忘れられず、次も成功を期待することを意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・味をしめるということが、よく子どもについてはいわれる。
(出典:柳田国男『こども風土記』)
・その味をしめると飲むのをやめられなくなる。
(出典:星新一『なりそこない王子』)
・外国旅行というものは、一度味をしめると病みつきのようになるもので、これは今も昔もかわりはないらしい。
(出典:大宅壮一『炎は流れる4 明治と昭和の谷間』)
・それにゴミ拾いって、いったん味をしめると面白いんだ、これが。
(出典:今邑彩『鋏の記憶』)
・ゆすりというのは、一度味をしめるといつまでも続く。
(出典:西村京太郎『歪んだ朝』)
・ナクシット教団に対しては自己防衛といえる一面もあるが、もし石の装置によって大きな勝利をおさめれば、味をしめる者も現れるだろう。
(出典:小沢淳『ムーン・ファイアー・ストーン5 青い都の婚礼(完)』)
・一方、女遊びのほうは、味をしめるととめどがない。
(出典:星新一『殿さまの日』)
・何、一度味をしめると飛ついて露も吸いかねぬ。
(出典:泉鏡花『二、三羽——十二、三羽』)