取越し苦労
「取越し苦労だった」などのように使う「取越し苦労」という言葉。
「取越し苦労」は、「とりこしぐろう」または「とりこしくろう」と読みます。
「取越し苦労」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「取越し苦労」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
取越し苦労の意味
「取越し苦労」には次の意味があります。
・どうなるかわからないことをあれこれ心配すること。杞憂(きゆう)。(出典:デジタル大辞泉)
まだどうなるかわからないのに、いたずらに心配する事を意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・だが、いまはそんな取越し苦労に心を悩ませている時ではなかった。
(出典:星新一『人民は弱し 官吏は強し』)
・まあ、あんまり取越し苦労はしないで病院に任せてみましょうよ。
(出典:三浦哲郎『愁月記』)
・だが第一日目に、それは全く取越し苦労であったことが彼にはわかった。
(出典:赤江瀑『正倉院の矢』)
・と臆病な取越し苦労をして私は未練のあまり思わず唇を噛むのであった。
(出典:牧野信一『熱い風』)
・しかしそういうことはいまのところ無用な取越し苦労というものだ。
(出典:カフカ/高橋義孝訳『変身』)
類語
・杞憂(きゆう)
意味:心配する必要のないことをあれこれ心配すること。(出典:デジタル大辞泉)
・強迫観念(きょうはくかんねん)
意味:考えまいとしても脳裏に浮かび、自分の意志では払いのけることのできない観念。(出典:デジタル大辞泉)
・下種の勘繰り(げすのかんぐり)
意味:品性の下劣な者は、とかく気をまわして邪推するものだ。(出典:デジタル大辞泉)
・思い過ごし(おもいすごし)
意味:思い過ごすこと。考えすぎ。(出典:デジタル大辞泉)
・過慮(かりょ)
意味:思いすごし。考えすぎ。(出典:デジタル大辞泉)