収拾
「収拾がつかない」などのように使う「収拾」という言葉。
「収拾」は、音読みで「しゅうしゅう」と読みます。
「収拾」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「収拾」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
収拾の意味
「収拾」には次の二つの意味があります。
1 ひろい集めること。
2 混乱をおさめ、状態を整えること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
収拾の意味①「ひろい集めること。」
「収拾」の一つ目の意味は「ひろい集めること。」です。
拾収とも使われ、落ちているものをひろって集める意味となります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・物証としては、真司が残した白い靴下の片方が収拾されただけである。
・逃走犯は、暗闇の中で、何かを収拾することに専念しているようだった。
・幼げな子供たちは、海浜の石を収拾してみたが、小砂利に過ぎなかった。
・どうしたものか、僕が収拾してきたものの方に、とてつもなく興味を寄せていたのが気になった。
・王女は、散乱した、綺麗な花びらを収拾しながら、悲しくて泣きたいような表情を浮かべた。
収拾の意味②「混乱をおさめ、状態を整えること。」
「収拾」の二つ目の意味は「混乱をおさめ、状態を整えること。」です。
わかりやすく言うと、難しい場面を、なんとか平常な状況にするという意味となります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・これがてんでんばらばらの動きをしては、収拾がつかなくなるであろう。
(出典:眉村卓『不定期エスパー5』)
・そうなったら、どうやって部隊を収拾したらよいだろうかと考えていた。
(出典:新田次郎『武田勝頼(一)』)
・一刻も早く事態を収拾しなければ二万人もの人々が殺される訳でもない。
(出典:鎌池和馬『とある魔術の禁書目録 第4巻』)
・事態の収拾を望むなら高里の行動を黙認することが正しいのに違いない。
(出典:小野不由美『十二国記 魔性の子』)
・日清の役には自分が首相であったので、これが収拾には自分が当たった。
(出典:小堺昭三『男の切れ味(上)』)