厳しい
「厳しい寒さ」などのように使う「厳しい」という言葉。
「厳しい」は、訓読みで「きびしい」と読みます。
「厳しい」とは、どのような意味の言葉でしょうか？
この記事では「厳しい」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
厳しいの意味
「厳しい」には次の四つの意味があります。
1 厳格で少しのゆるみも許さないさま。厳重である。
2 いいかげんな対処が許されないさま。困難が多くて、大変なさま。
3 自然現象などの程度が著しいさま。
4 物事の状態が緊張・緊迫しているさま。（出典：デジタル大辞泉）
「厳しい」には他の意味もありますが、上記の意味で使われることがほとんどです。
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
厳しいの意味①「厳格で少しのゆるみも許さないさま。厳重である。」
「厳しい」の一つ目の意味は「厳格で少しのゆるみも許さないさま。厳重である。」です。
例えば、「ルールが厳しい」で「ルールが厳格である」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・私は若い男のかたには、決して厳しいことは言わないことにしています。
（出典：アンデルセン／神西清訳『即興詩人(下)』）
・それは管理の網の目をさらに厳しくしてしまう結果にならないだろうか。
（出典：中山元『フーコー入門』）
・父としての基経は耐え切れず大声で突然命令するように厳しくいい放った。
（出典：室生犀星『姫たちばな』）
厳しいの意味②「いいかげんな対処が許されないさま。困難が多くて、大変なさま。」
「厳しい」の二つ目の意味は「いいかげんな対処が許されないさま。困難が多くて、大変なさま。」です。
例えば、「厳しい生活」で「生きていくのが大変な生活」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・かれらをあなたの管轄下でもっとも厳しい任務につけていただきたいわ。
（出典：エディングス『ベルガリアード物語5 勝負の終り』）
・この結婚は死、もしくは死よりも厳しいものによってのみ解消されます。
（出典：アンデルセン／神西清訳『即興詩人(下)』）
・この冬はまた、あちこちの池にも非常に厳しい試練を与えた冬であった。
（出典：ソロー／神原栄一訳『森の生活』）
厳しいの意味③「自然現象などの程度が著しいさま。」
「厳しい」の三つ目の意味は「自然現象などの程度が著しいさま。」です。
例えば、冒頭の例文である「厳しい寒さ」は「かなりの寒さ」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・あの一九四七年の冬はしかし、大人たちにとっては厳しい冬でもあった。
（出典：ニコル『C・W・ニコルの野性記』）
・こうした厳しい天候のもとでは、だれもが健康でいることが肝要だった。
（出典：アン・マキャフリイ『パーンの竜騎士シリーズ(全16巻) 16 竜と竪琴師』）
・沖合いの風は厳しく、波の先端を陽の光に映える白い泡に変えていた。
（出典：エディングス『エレニア記2 水晶の秘術』）
厳しいの意味④「物事の状態が緊張・緊迫しているさま。」
「厳しい」の四つ目の意味は「物事の状態が緊張・緊迫しているさま。」です。
例えば、「厳しい状況」で「緊張・緊迫した状況」という意味になります。また、「厳しい表情」のように、間接的に緊張・緊迫していることを表す使い方もします。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・あそこは、状況が厳しくなってきた時に誰もが殺到する最初の場所なんだ。
（出典：ホーガン『創世記機械械』）
・会談が終わると彼は非常に深刻な様子になり、二人の若者の上には厳しい沈黙が訪れた。
（出典：ラヴクラフト・ハワード・フィリップス『チャールズ・デクスター・ウォードの事件』）
・三人の厳しい視線を意識しながら、彼はゆっくり部屋の中央に戻った。
（出典：ホーガン『巨人たちの星』）
