卒然
「卒然として思い浮かぶ」などのように使う「卒然」という言葉。
「卒然」は、音読みで「そつぜん」と読みます。
「卒然」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「卒然」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
卒然の意味
「卒然」には次の意味があります。
・事が急に起こるさま。だしぬけ。突然。しゅつぜん。(出典:デジタル大辞泉)
「卒然」は「率然」と表記する場合もあります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そのとき卒然としてわたしの頭に浮かんだのは弥生さまのことでした。
(出典:横溝正史『金田一耕助全集 [金田一耕助ファイル20] 横溝正史 「病院坂の首縊りの家 下」』)
・そのとたん、金田一耕助は卒然としてあることに思いいたったのである。
(出典:横溝正史『金田一耕助全集 横溝正史 「毒の矢」 v0.9』)
・そうしてまた卒然として現実に帰るべく彼らから余儀なくされた。
(出典:夏目漱石『道草』)
・私はそれを見ているうちに、卒然としてその痣の語る意味をさとった。
(出典:横溝正史『悪魔の家』)
・すると僕の目の前へ奇蹟よりも卒然と現れたのは小さい紙本の山水である。
(出典:芥川竜之介『僻見』)
類語
・短兵急(たんぺいきゅう)
意味:だしぬけであるさま。ひどく急なさま。(出典:デジタル大辞泉)
・急遽(きゅうきょ)
意味:急に物事が行われるさま。(出典:デジタル大辞泉)
・忽然(こつぜん)
意味:物事の出現・消失が急なさま。忽如。こつねん。(出典:デジタル大辞泉)
・俄然(がぜん)
意味:突然ある状態が生じるさま。急に状況が変わるさま。にわかに。(出典:デジタル大辞泉)
・突如(とつじょ)
意味:何の前触れもなく物事が起こるさま。だしぬけであるさま。突然。(出典:デジタル大辞泉)