勾配
「なだらかな勾配」などのように使う「勾配」という言葉。
「勾配」は、音読みで「こうばい」と読みます。
「勾配」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「勾配」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
勾配の意味
「勾配」には次の意味があります。
・水平面に対する傾き。また、その度合。(出典:精選版 日本国語大辞典)
道でも建物でも、傾きがあればその傾き具合をつけて表します。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・急に安兵衛は自分もその急な勾配を駈け降りて行きそうな気配を見せた。
(出典:大佛次郎『赤穂浪士(上)』)
・かなりな勾配があったから、河北は練習にいいと思って選んだのだろう。
(出典:小川国夫『逸民』)
・いつも水に漬かっている一帯の土地がゆるい勾配をなして露われている。
(出典:森鴎外『鴉』)
・まるでここが自然のいよいよ尽き果てた最後の勾配といったようだった。
(出典:ヴェルヌ/江口清訳『気球旅行の五週間』)
・その勾配はあまりに急だったので、階段があればよいと思ったほどだった。
(出典:ウルフ/岡部宏之訳『新しい太陽の書3』)
・上り勾配をきわめたところで、右に車も入らぬような細い山道が分れる。
(出典:城山三郎『鼠 ─鈴木商店焼打ち事件─』)
・坂の勾配はなかなか急で、逃げる者も追うものも浸るような汗になった。
(出典:岡本綺堂『半七捕物帳』)
・階段は勾配が急で、暗い穴蔵の底から上を見上げているような感じがした。
(出典:福永武彦『風土』)