助太刀
「助太刀をする」などのように使う「助太刀」という言葉。
「助太刀」は、熟字訓(じゅくじくん)で「すけだち」と読みます。
熟字訓とは、熟語に訓読みを当てた読み方です。
「助太刀」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「助太刀」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
助太刀の意味
「助太刀」には次の二つの意味があります。
1 果たし合いやあだ討ちなどに助勢すること。
2 人に加勢、助力をすること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
助太刀の意味①「果たし合いやあだ討ちなどに助勢すること。」
「助太刀」の一つ目の意味は「果たし合いやあだ討ちなどに助勢すること。」です。
現代では、あまり使用されませんが、時代物の小説やドラマなどではよく目にする表現です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・思いもかけず、強そうな男が二人も助太刀を買って出てくれたのである。
(出典:柴田錬三郎『江戸群盗伝』)
・武蔵の方に、何名助太刀がついて来ても、世間は彼の名の一つしかいわぬ。
(出典:吉川英治『宮本武蔵』)
・それを眼前にみつつ、助太刀にきたはずのじぶんがお美也の足をとどめている!
(出典:山田風太郎『軍艦忍法帖』)
・兄の仇を探していた。ある日友達が来て、敵の居所が知れた、助太刀するから行こうと言った。 (出典:藤沢周平『又蔵の火』)
類語
・掩護射撃(えんごしゃげき)
意味:敵の攻撃から味方を守るために、側面や後方から射撃を行うこと。(出典:デジタル大辞泉)
助太刀の意味②「人に加勢、助力をすること。」
「助太刀」の二つ目の意味は「人に加勢、助力をすること。」です。
一つ目の意味から転じて、広く一般に加勢、助力することを意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ふられる奴にも助太刀しないし、貧乏な奴に一文もやらない。
(出典:坂口安吾『茶番に寄せて』)
・私も一言助太刀をしようと思ったが、正直のところ、自信がないのでやめた。
(出典:なだいなだ『クレージイ・ドクターの回想』)
・根がからまって困っている人がいると、ノコギリを持って助太刀した。
(出典:森見登美彦『美女と竹林』)
・本人の言いにくいところを、同席したジュニアが、助太刀に入った。
(出典:鈴木明『リリー・マルレーンを聴いたことがありますか』)
・道子が急に顔を上げて母親に助太刀した。
(出典:福永武彦『風土』)
類語
・応援(おうえん)
意味:味方となって励まし、また、助けること。また、その者。加勢。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・支援(しえん)
意味:活動を容易にするためにささえ助けること。援助。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・援助(えんじょ)
意味:困った状況にある人をたすけること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・手助け(てだすけ)
意味:他の人の仕事などを助けること。手伝うこと。また、その人。(出典:デジタル大辞泉)