出来高
「作物の出来高」などのように使う「出来高」という言葉。
「出来高」は、訓読みで「できだか」と読みます。
「出来高」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「出来高」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
出来高の意味
「出来高」には次の意味があります。
・できあがった総量。また、収穫した総量。(出典:デジタル大辞泉)
収穫や取得したすべての量ということですが、作物や生産した物などでは、世間に流通させるものについて、素材や原型のままではなく加工や生成をして商品や作品として流通させるに相応しいものとなったものの総量、または流通した総量という意味も含まれます。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・世界各地のコーヒーの産地の出来高とその予測。
(出典:渡部昇一『新常識主義のすすめ』)
・たまに大勢で寄り集まって各地の炭の出来高や出来ばえを語るときはえらく声高なのでびっくりさせられる。
(出典:松井今朝子『辰巳屋疑獄』)
・もともと大農家なんかの旧家に祀られてて、その家の主婦が手に持って、その年の神意、吉凶、農作物の出来高などを占ってたんだけど、
(出典:田中啓文『私立伝奇学園高等学校民俗学研究会その1 蓬來洞の研究』)
・請負作業の出来高を調べるものゝように、仕事場に這入った。
(出典:黒島伝治『武装せる市街』)
・鍋島藩は三十六万五千石、その米の総出来高は約十万両であったから、八万両というその利益がどれほどのものだったか推しはかることができる。
(出典:金達寿『日本の中の朝鮮文化 5』)
・はじめのうちは会長はその日その日の出来高によって現金で払ってくれたが、やがて現金はやめて切手でくれるようになった。
(出典:開高健『青い月曜日』)
・その出来高がどれくらいであれ、わたしには忘れがたい文学者たちを読み込んだ記述が、ここにすべて提出されている。
(出典:吉本隆明『悲劇の解読』)
・そのころまつば銀行の一日の出来高は平均して八百万株程度、市場が閉まる直前の一千六百万株という大量の買い注文は、かなりのインパクトを与えるはずだった。
(出典:石田衣良『波のうえの魔術師』)