凄惨
「凄惨な光景」などのように使う「凄惨」という言葉。
「凄惨」は、音読みで「せいさん」と読みます。
「凄惨」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「凄惨」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
凄惨の意味
「凄惨」には次の意味があります。
・目をそむけたくなるほどいたましいこと。ひどくむごたらしいこと。(出典:デジタル大辞泉)
「凄惨」をわかりやすく言うと、「とても残酷なこと」という意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そっちへ近づいていた長助が思わず足を止めたほど凄惨な光景であった。
(出典:平岩弓枝『御宿かわせみ 30 鬼女の花摘み』)
・あまりの凄惨さにあっけにとられたおれを、白いゆきの顔がふり向いた。
(出典:菊地秀行『トレジャー・ハンター11 エイリアン魔神国 中』)
・この記録は、南海に漂流した多くの兵たちの手記にも増して凄惨である。
(出典:伊藤整『太平洋戦争日記(二)』)
・その一人はこの家の主人古峯博士であったが、その姿は凄惨を極めていた。
(出典:横溝正史『芙蓉屋敷の秘密』)
・戦争は今後更に凄惨にして最悪を極めることを覚悟しなければならぬ。
(出典:山田風太郎『戦中派不戦日記』)
類語
・無惨(むざん)
意味:気の毒なこと。いたましいこと。また、そのさま。(出典:大辞林 第三版)
・残酷(ざんこく)
意味:無慈悲でむごたらしいこと。まともに見ていられないようなひどいやり方のさま。(出典:デジタル大辞泉)
・惨たらしい(むごたらしい)
意味:目をそむけたくなるほどひどい。(出典:大辞林 第三版)
・惨劇(さんげき)
意味:むごたらしい筋の劇。また、そのような出来事・事件。 (出典:大辞林 第三版)
・悲惨(ひさん)
意味:見聞きに耐えられないほどいたましいこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)