傀儡
「傀儡政権」などのように使う「傀儡」という言葉。
「傀儡」は、音読みで「かいらい」と読みます。
「傀儡」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「傀儡」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
傀儡の意味
「傀儡」には次の意味があります。
・自分の意志や主義を表さず、他人の言いなりに動いて利用されている者。でくの坊。(出典:デジタル大辞泉)
「傀儡」は、もともと「操り人形」を意味する言葉ですが、転じて上記のように「操り人形のように他人の言いなりになる人」という意味でも使います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・女は彼を現界の為だけに利用し、傀儡として扱うつもりでいた。
(出典:奈須きのこ『Fate/hollow ataraxia 本編のみ ver1.00ルビあり』)
・相手の意思を抹殺して人形のような傀儡にしてしまうことに抵抗があった。
(出典:小野不由美『屍鬼(下)』)
・傀儡が主を捨てて、自分の意志で動くなど聞いたこともない。
(出典:毛利志生子『カナリア・ファイル2~傀儡師』)
・生活の主体は社会と歴史であって自己はただその傀儡にすぎない。
(出典:倉田百三『愛と認識との出発』)
・運命の手に操られる傀儡として生きるのではなく、自らの運命を知る人間として生きて行く。
(出典:福永武彦『第一随筆集 別れの歌』)
類語
・人形(にんぎょう)
意味:木、紙、土などで人の形に作ったもの。装飾品にし、また、これを用いて演劇なども行なう。古くは信仰の対象だったが、中世以後は観賞・愛玩用として発達した。でく。でくのぼう。土偶。木偶。偶人。ひとがた。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・マリオネット(marionette)
意味:人形劇の一形式。糸操り人形string puppetをさす名称だが、ときには多様な人形劇の総称としても使われる。(出典:日本大百科全書)
・傀儡女(くぐつめ)
意味:あやつり人形を使って芸をする女。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・偶人(ぐうじん)
意味:人の形をしたもの。人形。木偶(でく)。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・木偶(でく)
意味:木製の人形。木俑(もくよう)ともよばれ、明器(めいき)(副葬するためにつくられた器物)としてつくられたものである。(出典:日本大百科全書)