余儀なく
「台風で避難を余儀なくされる」などのように使う「余儀なく」という言葉。
「余儀なく」は、音読みで「よぎなく」と読みます。
「余儀なく」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「余儀なく」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
余儀なくの意味
「余儀なく」には次の意味があります。
・他になすべき方法がない。やむをえない。(出典:デジタル大辞泉)
「台風で避難を余儀なくされる」とは、台風で避難するよりほかに方法がない、避難することも仕方がない、という意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ここにもまた戦争によって不幸な晩年を余儀なくされた不幸な母親がいた。
(出典:郷静子『れくいえむ』)
・人間が自己を見うしない機械になることを余儀なくされる世界である。
(出典:ミラー/大久保康雄訳『南回帰線(下)』)
・おお、多くの者はお前に対して沈黙を守る事を余儀なくされているのだ。
(出典:柳宗悦『民芸四十年』)
・最後は父親の強い勧めで、省介はそこに入学することを余儀なくされた。
(出典:鷺沢萠『海の鳥・空の魚』)
・とにかく、私たちは明日にも決定を余儀なくさせられるかも知れない。
(出典:富野由悠季『機動戦士ガンダムIII』)
類語
・やむを得ず(やむをえず)
意味:しかたがなく。どうしようもなく。止むなく。(出典:デジタル大辞泉)
・否応なく(いやおうなく)
意味:承知も不承知もないようす。有無を言わせないようす。(出典:デジタル大辞泉)
・須らく(すべからく)
意味:多くは下に「べし」を伴って、ある事をぜひともしなければならないという気持ちを表す。当然。ぜひとも。(出典:デジタル大辞泉)
・敢え無く(あえなく)
意味:どうしようもない。しかたがない。(出典:デジタル大辞泉)
・詮方無く(せんかたなく)
意味:なすべき手段・方法がない。ほどこすすべがない。どうしようもない。しかたがない。(出典:精選版 日本国語大辞典)