低迷
一般的には良くない状況が続くことを表す「低迷」。
「低く迷う」と書いて「ていめい」と読みます。
「低迷」は複数の意味を持つ言葉なので、混乱しないようにしましょう。
この記事では「低迷」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
低迷の意味
「低迷」には次の意味があります。
1 低くただようこと。
2 よくない状態から抜け出せないでいること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの使い方については下記の通りです。
低迷の意味①「低くただようこと」
低迷の一つ目の意味は「低くただようこと」です。
こちらは「雲が高さの低い位置で留まること」で「暗雲低迷」という四字熟語もあります。
使い方・例文
・私は放射能雲のあやしく輝いて低迷する空を胸のつまる思いで眺めていた。
(出典:永井隆『長崎の鐘』)
・低迷していた雲が切れると、灰をかぶるような激しい雨が降ってきた。
(出典:林芙美子『新版 放浪記』)
低迷の意味②「よくない状況から抜け出せないでいること」
低迷の二つ目の意味は「よくない状況から抜け出せないでいること」です。
分かりやすく例えると、良い状況から悪い状況になった場合には「株価が暴落した」と言い、悪い状況が続いているときには「株価が低迷する」を使います。
使い方・例文
・株式市場が低迷を続けていることくらいは、早苗もニュースで知っていた。
(出典:貴志祐介『天使の囀り』)
・数年前、経営が低迷していた時期もあったが、今は完全な右肩上がり。
(出典:花鳳神也『死神とチョコレート・パフェ 2』)
・しかしベラントの顔にもルス嬢の顔にも、一抹の不満の色が低迷している。
(出典:海野十三『共軛回転弾』)
・広島カープは、そのシーズン、最下位こそ免れたが五位と低迷している。
(出典:山際淳司『男たちのゲームセット』)
・学生のあいだに低迷した空気が流れていたことも確かであった。
(出典:島尾敏雄『魚雷艇学生』)