五里霧中
「五里霧中だった」などのように使う「五里霧中」という言葉。
「五里霧中」は、音読みで「ごりむちゅう」と読みます。
「五里霧中」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「五里霧中」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
五里霧中の意味
「五里霧中」には次の意味があります。
・深い霧の中で方角がわからなくなってしまうこと。転じて、物事の事情がまったくわからず、すっかり迷ってどうしてよいかわからなくなってしまうこと、手さぐりで進むことのたとえ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「五里霧中」をわかりやすく言うと「すっかり迷って判断がつかなくなってしまうこと」という意味になります。
中国古代・後漢に張楷という人が5里に渡る霧を起こしたという、「後漢書」「張楷伝」の故事により生まれた言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・これから部活動がどのような展開を見せるのか、五里霧中であった。
(出典:後藤正治『リターンマッチ』)
・彼らは、どちらに向かって進んでよいものか五里霧中で立ちすくんでいる。
(出典:藤原正彦『若き数学者のアメリカ』)
・警察の捜査方針はここに於て五里霧中に彷徨する事となった。
(出典:夢野久作『S岬西洋婦人絞殺事件』)
・いかなるメッセージがこめられているのか、なおも五里霧中の状態だった。
(出典:霞流一『フォックスの死劇』)
・五里霧中で捜し廻っているうちに、二王子に偶然ぶっつかったわけである。
(出典:菊池寛『日本武将譚』)
類語
・暗中模索(あんちゅうもさく)
意味:手掛かりのないまま、いろいろなことを試みること。(出典:デジタル大辞泉)
・八方塞がり(はっぽうふさがり)
意味: とるべき手段がなくなり途方に暮れること。 (出典:大辞林 第三版)
・紆余曲折(うよきょくせつ)
意味:物事が順調に運ばないで、こみいった経過をたどること。(出典:デジタル大辞泉)
・悪戦苦闘(あくせんくとう)
意味:困難な状況の中で、苦しみながら努力すること。(出典:デジタル大辞泉)
・屠所の羊(としょのひつじ)
意味:不幸にあって気力をなくしていることのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)