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世知辛いとは?意味や使い方・例文をわかりやすく解説 

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世知辛い

「せちがらい」と読みます。
「世知辛い世の中になった」などと耳にしたことはありませんか。

また、「あいつは世知辛い奴だ」などと使われることもあります。

何となく意味はわかるような気はするものの、きちんと説明しようと思うとなかなか難しいかもしれません。

この記事では「世知辛い」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。

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世知辛い(せちがらい) 意味

世知辛い(せちがらい)には次の二つの意味があります。

1 生活していきにくい。暮らしにくい。住みにくい。 
2 計算ずくで、心にゆとりがない。打算的でこせこせしている。
(出典:大辞林 第三版)

それぞれの意味と使い方については下記の通りです。

世知辛いの意味① 「生活していきにくい。暮らしにくい。住みにくい。」

世知辛いの一つ目の意味は「生活していきにくい。暮らしにくい。住みにくい」です。
「世知辛い世の中になった」というと、「生きにくい世の中になった」となります。

使い方・文例

・ふたりかひとりかわからねえようなやつが、このせちがらい世の中をのそのそしているのがわりいんです。 ほかに手はねえんだ。
(出典:佐々木味津三『右門捕物帖』)

・このせちがらい世の中をたのしく生きぬくためには、もってこいのものなんですよ。
(出典:古今亭志ん生『なめくじ艦隊 ―志ん生半生記』)

せちがらい世の中を、見えも外聞もなく生きるようになると、いつのまにか日和見主義が身につくものらしい。暉峻康隆『日本人の笑い』
(出典:暉峻康隆『日本人の笑い』)

世知辛いの意味② 「計算ずくで、心にゆとりがない。打算的でこせこせしている」

世知、または世智は、仏教の言葉で「世俗の知恵」。そこから世知は「世渡りの才」というような意味を持ちました。
ここでの「辛い」は「世知」を強めるために添えられた語で、「世渡りの才に非常に長(た)けている」となり、さらにそれが転じて「計算高い」「打算的」という意味合いで使われるようになりました。

使い方・文例

・彼らの旅心は、最初私が考えていたほどせちがらいものでなく、野の匂いを失わないのんきなものであることも、私にわかって来た。
(出典:川端康成『伊豆の踊子・禽獣』)

せちがらい考え方と思えるが、江戸時代の勤勉な町人気質の一面をよく示している句である。 一方働くだけが能といったそういう人物を軽蔑するのも、町人気質のもう一つの面だった。
(出典:大岡信『名句歌ごよみ[冬・新年]』)

・野心というほどせちがらいものではないが、あの頃の私はツッパっていたなあとしみじみ思う。東京に出て行きさえすればなんとかなると本当に考えていたのだから。
(出典:林真理子『ピンクのチョコレート』)

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