不毛
「不毛な土地」などのように使う「不毛」という言葉。
「不毛」は、音読みで「ふもう」と読みます。
「不毛」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「不毛」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
不毛の意味
「不毛」には次の二つの意味があります。
1土地がやせていて作物や草木が育たないこと。また、そのさま。
2なんの進歩も成果も得られないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
不毛の意味①「土地がやせていて作物や草木が育たないこと。また、そのさま。」
「不毛」の一つ目の意味は「土地がやせていて作物や草木が育たないこと。また、そのさま。」です。
「毛」は「作物や草木が育つこと」、「不」は「否定」を意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・暑さはいよいよ激しくなり、土地はいよいよ不毛となっていた。
(出典:ムアコック『この人を見よ』)
・野菜瓜なるものが植えられてあるそうだが、見るからに不毛な畑である。
(出典:井上靖『私の西域紀行(下)』)
・水の便は悪いし、土質も悪く、畑にも田にもならない不毛地であった。
(出典:新田次郎『槍ヶ岳開山』)
・ なぜ私達が、砂しかない不毛な地に住み始めたのか、長い間知らなかった。
(出典:時雨沢恵一『キノの旅 第04巻』)
類語
・未開拓(みかいたく)
意味:土地がまだ開拓されていないこと。また、そのさま。未開。(出典:デジタル大辞泉)
・荒土(あらつち)
意味:荒れはてた土地。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・荒蕪地(こうぶち)
意味:荒れて雑草などの生い茂った土地。荒地。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・痩せ地(やせち)
意味:地味が豊かでなく、作物などがよく育たない土地。(出典:精選版 日本国語大辞典)
不毛の意味②「なんの進歩も成果も得られないこと。また、そのさま。」
「不毛」の二つ目の意味は「なんの進歩も成果も得られないこと。また、そのさま。」です。
作物や草木が育たないように、物事が進歩しなかったり、成果が得られなかったりすることを意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そんな不毛なやり取りを研究所の玄関でしている時に、目的の人は現れた。
(出典:むぅ『「花火」 ~いつか果たされる約束~』)
・肩かたを落とし、なにかを数えだしたが、その不毛さに気づいたのだろう。
(出典:秋田禎信『エンジェル・ハウリング 第03巻』)
・妹さんは、平沢との不毛の恋愛に疲れきっていたとしたらどうです。
(出典:森村誠一『致死眷属』)
・みていると不毛なような安心するような不思議な感じがした。
(出典:長嶋有『猛スピードで母は』)
類語
・無駄(むだ)
意味:役に立たないこと。それをしただけのかいがないこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・虚しい(むなしい)
意味: 無益である。むだである。かいがない。(出典:デジタル大辞泉)
・無益(むえき)
意味:利益のないこと。むだなこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・無足(むそく)
意味:むだになること。むだであること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)