不惜身命
「不惜身命の気持ち」などのように使う「不惜身命」という言葉。
「不惜身命」は、音読みで「ふしゃくしんみょう」と読みます。
「不惜身命」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「不惜身命」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
不惜身命の意味
「不惜身命」には次の意味があります。
・ 仏語。仏道を修めるためには、あえてみずからの身命をもかえりみないこと。また、その心構えや態度。一般に、仏道以外の物事についてもいう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「不惜身命」を分かりやすくいうと、「死をもいとわない覚悟や心構え」のことです。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・我等は道を求め道に奉仕せむがために、不惜身命でなければならない。
(出典:阿部次郎『三太郎の日記 第三』)
・それしか真っ向に考えてない鉄甲のような、不惜身命になりきって進軍していた。
(出典:吉川英治『新書太閤記』)
・不惜身命という根性はなかったけれど、途中で止めるという発想もありませんでした。
(出典:麻生佳花『尼は笑う』)
・それが海軍に対する不惜身命の奉公となり、そして海軍をつきぬけて大日本帝国に対する一途な誠忠となっていった。
(出典:半藤一利『聖断 天皇と鈴木貫太郎』)
・如何に不惜身命の行苦に心身を鍛錬した僧侶と雖も、不可能ではなかったかと想われる。
(出典:木暮理太郎『山の今昔』)
・不惜身命で我が身を投げ出し、祈っております。
(出典:麻生佳花『尼は笑う』)
・面子だの郷土の誉れだの不惜身命だの不用のものが多過ぎた。
(出典:五味川純平『ノモンハン(上)』)
・「皇恩無窮 盡忠報国 脱落生死 不惜身命」 と、橋田邦彦は書いてくれた。
(出典:三浦綾子『ちいろば先生物語』)