下衆
「下衆な笑いを浮かべる」などのように使う「下衆」という言葉。
「下衆」は、音読みで「げす」と読みます。
「下衆」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「下衆」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
下衆の意味
「下衆」には次の意味があります。
・身分や素姓の卑しい人。下賤の人。転じて、品性が下劣であること。下品であること。また、その人。または、そのようなさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
身分が低い人を指す言葉が転じて、その人の持つ品性が低いことを表す言葉になったようです。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・あの下衆はお前等放免どもの顔しか知らぬから、少しも危いことはない。
(出典:福永武彦『風のかたみ』)
・すべての人間は、人間であると思考する時点で、獣以下の下衆である。
(出典:奈須きのこ『空の境界 (下)』)
・血の気の多い奴や下衆な野郎は一人も居ませんでしたとは言わない。
(出典:ろくごまるに『封仙娘娘追宝録9 刃を砕く復讐者(下)』)
・下衆たちはみんなこれを食い、さらに道ゆく人びとをも呼んで食わせた。
(出典:山田風太郎『かげろう忍法帖 ―山田風太郎忍法帖短篇全集』)
・その眼が下衆の顔を睨んだまま、恐ろしい言葉をその口から洩らした。
(出典:福永武彦『風のかたみ』)
・いや、貴様のような下衆に品を求めた私が間違っていたのだろう。
(出典:海原育人『ドラゴンキラー売ります』)
・下衆は身分の低い者、教育のない者、転じて「愚かな者」のことである。
(出典:青木雨彦『ことわざ雨彦流』)
・下衆な興味くらいなら持てるかも知れないが、まさか男経験を聞くわけにもいかない。
(出典:乃南アサ『凍える牙』)